寒い時期にサーマルカメラの使い方 | 株式会社松電舎【安心の低価格】

こうやればできる!寒い季節のサーマルカメラ使用方法

コロナ第3波の影響、季節性感冒もあり、サーモグラフィ・サーマルカメラの需要は増え続けており、サーマルカメラで入場する際に検温を行う施設も増えていますね。

さて最近、寒くなってきて、あるお問合せが多く寄せられています。

 

サーマルカメラ  体温測定用サーモグラフィ

 

 

寒くなってきて来るお問合せ内容とは

 

それは・・・・・。

 

「外気温が氷点下になるけどサーマルカメラで測定できますか?」

 

というものです。

 
 

 

サーマルカメラの使用温度環境は・・・・・?

 

元々、サーマルカメラのメーカーや機種にもよっても異なりますが

弊社取扱のサーモグラフィーカメラの使用温度環境は10℃~35℃です。

ですのでその温度域を超える気温でご使用すると

 

1.動作しない(測定しない)

2.正しくない温度測定値が表示される

 

になります。

 

 

 

 

では、どうすればよいのか・・・・・・。

 

寒くても、氷点下でも検温はやらないといけませんが

正直にいうと氷点下で使用できるサーマルカメラはありません。

ですので運用方法を工夫して使用するしかないのが現状です。

 

1の動作しない(測定しない)くらいの寒さレベルであれば、やはり室内環境の少しでも暖かい環境でご使用いただく必要があります。

もし室内であっても、入口付近や風除室などの外気冷気が入り込む場所ではなく、もう少し奥に設置すれば測定できる場合もあります。

ようするに暖かい環境温度の場所に移動させて設置するしかないです。

また状況的にどうしても屋外でご使用されるなどでは、テントやパーティションなどを活用し、冷風等が直接当たらないようにする、または屋内に近い暖かい温度環境をご構築頂くなどの運用上の工夫が必要です。

 

 

 

2の場合は下記の工夫で対処できるかと思います。

 

①寒い日に外気にさらされた後、サーマルカメラで測定すると実際の体温より低く表示します。サーマルカメラは非接触で体表面温度(皮膚温度)を測るものです。よって寒い日に外気にさらされたため、体表面温度が下がり、実際の体温より低く表示されるのは当然のことです。
対処法としては、前述したように測定場所を少し奥に変更することでも変わります。室内の奥に設置することで、表面温度が元に戻る時間を稼げることになります。

 

 

またアラーム設定温度を変更する方法も有効です。
(例)アラーム設定温度を37.5°→37.0°にする。


②サーマルカメラには機種によって温度表示値補正機能があります。これを活用する方法です。
複数人を実際の体温計で体温測定し、その値とサーマルカメラの測定値を比較し、その差分の数値を入力することで、今後補正した温度値(値の合わせ込み)で表示してくれます。ただしこの方法はサーマルカメラの測定値を補正して表示することになりますので値の合わせ込みが正しいかを定期的にご確認いただくことが必要です。

 

 

③サーマルカメラの機種によりますが黒体炉(ブラックボディー)を併用し、精度を高める方法です。(対応機種はお問合せ下さい。)

サーマルカメラでの計測は計測距離または環境温度に大きく影響を受けてしまいます。カメラの画角内に常にこの黒体炉を置くことで、距離や環境温度による温度の誤差をなくし、常に温度の補正が行われ、0.3°C以下まで誤差を抑えることができます。

ただしこちらの黒体炉も使用温度環境は0 ℃ ~40 ℃です。黒体炉を併用頂き、寒さの影響での精度が落ちることを緩和するだけです。

黒体炉併用でサーモグラフィーカメラの使用温度環境は10℃~35℃を超える環境温度でご使用できる意味ではありませんのでご注意下さい。

 

黒体炉のHPアドレスはコチラ
https://www.shodensha-inc.co.jp/ja/ds-2te127-g4a/