2022年09月16日

テレセントリックレンズの種類と特徴

目次

1. テレセントリックレンズの特徴

2. 両側テレセントリックレンズの特徴

3. 片側テレセントリックレンズの特徴

4. まとめ

 

 

テレセントリックレンズの主な特徴

 

1. 焦点深度内であれば、像の膨張・収縮がない。
→寸法測定の際に測定誤差を小さくできる。
2. 視差による画像の歪が少ない
3. 同軸照明と併用した場合、対象物の明るさのムラが少ない。

 

種類は大きく分けて、両側テレセントリックレンズと片側テレセントリックレンズがあります。
弊社でも両側と片側、両方のテレセントリックレンズを取り扱っております。

 

それぞれの特徴は以下のようになります。

 

 

両側テレセントリックレンズ

両側テレセンリックレンズ

 

カメラセンサー側と被写体側のどちらの距離が変わっても被写体を映し出す大きさが変わらないという特徴があります。
つまり、接写リング等を使用してカメラセンサー側の距離を変更することで倍率を変えずにレンズと被写体の距離のみを変更することができます。
ただ、映し出す範囲よりもレンズの径は物理的に大きくなりますので倍率が低くなるにつれてレンズのサイズが大きくなり、価格も高額になります。
精密測定装置や投影機に採用されています。

 

両側テレセンリックレンズ   両側テレセントリックレンズ
RT1 RT3 RT5

 

 

 

片側テレセントリックレンズ

片側テレセントリックレンズ

 

被写体側のみがテレセントリックレンズ構造になっているレンズです。
両側テレセントリックレンズと違いカメラセンサー側の距離が変わると非テレセントリックレンズと同様に被写体を映し出す大きさは変わります。
両側テレセントリックレンズと比べてレンズは小型で、価格も安価になります。
寸法測定用途でマクロズームレンズのような倍率変更が不要である場合、倍率固定での置き換えとして採用されることがあります。

 

(片側テレセントリックレンズには弊社で取り扱っている被写体側テレセントリックレンズの他にカメラセンサー側のみがテレセントリックレンズ構造になっている像側テレセントリックレンズというものもあります。
こちらは通常のカメラを使用してのワーク撮影にはほとんど採用されません。)

 

片側テレセントリックレンズ  

テレセントリックレンズ(W.D.65mmタイプ)

 

テレセントリックレンズ(W.D.110mmタイプ)

     
片側テレセントリックレンズ  

テレセントリックレンズ(同軸照明対応・W.D.65mmタイプ)

 

テレセントリックレンズ(同軸照明対応・W.D.110mmタイプ)

     
片側テレセントリックレンズ  

メガピクセル対応テレセントリックレンズ(W.D.65mmタイプ)

 

メガピクセル対応テレセントリックレンズ(W.D.110mmタイプ)

     
メガピクセル対応テレセントリックレンズ  

メガピクセル対応テレセントリックレンズ(同軸照明対応・W.D.65mmタイプ)

 

メガピクセル対応テレセントリックレンズ(同軸照明対応・W.D.110mmタイプ)

 

 

 

 

特殊なテレセントリックレンズ

■長距離テレセントリックレンズ

特殊なテレセントリックレンズ01   特殊なテレセントリックレンズ02

 

レンズ先端から対象物まで170mmを確保できます。

この程度の倍率であれば、弊社ズームレンズと解像度の差もあまりありません。

どうしても、レンズ、カメラを小さくしたい場合は有効です。

 

 

テレセントリックレンズ

(焦点距離:170mm)

TGレンズ+0.5倍補助レンズ

(焦点距離:170mm)

特殊なテレセントリックレンズ03 特殊なテレセントリックレンズ04

 

 

 

■省スペース・高倍率テレセントリックレンズ

特殊なテレセントリックレンズ05   特殊なテレセントリックレンズ06

 

レンズも小さく、焦点距離も40mmと短いので狭いスペースの取り付けには便利です。

倍率も高いのですが、弊社ズームレンズと比較して解像度が落ちます。

 

 

省スペース・高倍率テレセントリックレンズ

FZレンズ+2倍補助レンズ

特殊なテレセントリックレンズ07 特殊なテレセントリックレンズ08
(⇓上記赤枠内を拡大) (⇓上記赤枠内を拡大)
特殊なテレセントリックレンズ09 特殊なテレセントリックレンズ10

2kigouピッチの判別、および数字の判別がテレセントリックレンズではできません。

 

 

(参考)弊社の最高解像度のレンズで見た場合は下記のようになります。

 

特殊なテレセントリックレンズ11

 

 

 

 

まとめ

 

テレセントリックレンズの主な特徴は

1. 焦点深度内であれば、像の膨張・収縮がないため、寸法測定の際に測定誤差を小さくできる。
2. 視差による画像の歪が少ない
3. 同軸照明と併用した場合、対象物の明るさのムラが少ない。

などがあります。

精密測定装置や投影機に採用されている両側テレセントリックレンズ。
被写体側のみがテレセントリックレンズ構造になっている片側テレセントリックレンズとあり、
両側テレセントリックレンズは大型で高価、片側テレセントリックレンズは小型で比較的安価という特徴があります。

 

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