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ディストーション(歪曲収差)とは

目次

 

 

 

 

1.ディストーション(歪曲収差)とは

ディストーション(歪曲収差)とはレンズを通して映される映像が歪んだ状態を意味します。

一般的に広角系のレンズは樽型の収差がおこりやすく、望遠系のレンズは糸巻き型の収差がおこりやすいのが特徴です。

 

<樽型の収差>
<糸巻き型の収差>

 

 

 

 

2.ディストーションの求め方

光学ディストーションは、理想像高をYとし、実際の像高をy’とした場合

 

 

の計算式で求めることができます。

 

 

 

 

3.固定焦点レンズを使った撮影例

8mm固定焦点レンズ
使用時
12mm固定焦点レンズ
使用時
25mm固定焦点レンズ
使用時

 

 

 

ディストーションの量が一般的に極めて少ないレンズがテレセントリックレンズとなります。

ディストーションは低い特性を持っており、より正確な計測に向いているとも言えます。

 

テレセントリックレンズ

 

⇒テレセントリックレンズについては、「テレセントリックレンズの種類と特長」をご参照ください。

 

 

 

 

4.カメラのセンササイズによるディストーションの違い

同じレンズを使っても、使用するカメラのセンササイズによりディストーションは異なります。

 

(例)

 

カメラのセンササイズによってディストーションが異なるのは、以下のようなイメージです。

センササイズが小さいとディストーションは小さく、

センササイズが大きいとディストーションは大きくなります。

 

 

センササイズによるディストーションの違いについては、レンズのメーカーによって

があります。

 

・センササイズ別に表記している場合

(弊社の f=25mmレンズ(600万画素対応タイプ)での例)

 

・対応できる最大サイズ(ディストーションの最大値)を表記している場合

(弊社の f=25mmレンズ(1200万画素対応タイプ)での例)

 

 

 

 

5.まとめ

・ディストーション(歪曲収差)とはレンズを通して映される映像が歪んだ状態を意味します。

・正確な計測がしたいなど、ディストーション量を少なくしたい場合は、ディストーション量が極めて少ない「テレセントリックレンズ」の使用をおすすめします。

・ディストーション量は、カメラのセンササイズによっても異なります。

 

 

固定焦点レンズ、テレセントリックレンズのご選定もお手伝いさせていただきます。
お気軽にテクニカルサポートまでご連絡ください。