目次
2:食品工場の製造ラインで要求されるカメラのスペックについて
●異物対策
1:食品工場でのカメラ活用事例
①食品製造ラインでの製造工程の監視
・製造工程内での各工程ライン監視。
・焼き上がりなど仕上がり具合の確認。
・トレーなどへの配膳・包装・梱包具合の確認。
・エビデンス(証拠)を残す。
・社内教育への活用。 など
②異物混入防止
・製造ラインへの異物の持ち込みを無くし、異物混入を防ぐ。
・作業者の服装規定や衛生規定の遵守レベルの確認。
③作業者の安全対策
・工場設備での安全対策及び事故防止。
食品工場では洗浄装置、カットマシン(切断機)、撹拌装置など危険な設備が多数
使用しており、それらの安全対策、事故防止。
④防犯
・部外者の製造ラインへの立ち入り、それに伴う異物の持ち込みを抑止
⑤食品工場における排水汚水処理工程(凝集槽)での監視
・汚水排水処理への活用
などがあげられます。特に①と⑤の活用事例については弊社産業用カメラでご構築いただけることが多く、次項にて活用事例をご紹介します。
2:食品工場の製造ラインで要求されるカメラスペックについて
①防水対策、油煙対策
食品工場の製造ラインで要求されるカメラでのNo.1と言えば、防水対策です。
弊社では下記のような防水対策製品を取り扱っています。
カメラ、レンズ自体をIP69の防塵防水規格のハウジングに入れる方法です。
②粉塵対策
粉体を多く扱う現場では、粉体がカメラやレンズに付着し、視界を遮ります。
下記のような粉塵対策ができます。エアパージする方法です。
粉体だけでなく先程の水滴などの除去にも使用できます。
カメラ防水ハウジングはコチラ
https://www.shodensha-inc.co.jp/ja/dir/autovimation/
エアパージ (中型用オプション) SLM-50.100.010はコチラ
https://www.shodensha-inc.co.jp/ja/housing-air/
③異物混入対策
食品工場では塗料が付いた機材は使用できません。
塗料が剥がれた場合に異物混入につながる恐れがあるためです。
その点、上述した防止ハウジングの外装はステンレスであり、
塗装はしておらず、異物混入には繋がりません。
塗装のあるカメラ、レンズはパッキン付きの防水ハウジング内であり、
万が一は起こりません。
また、使用している全てのパッキンシール材料、保護チューブ、
アクリル窓はアメリカのFDA(米国食品医薬局)規格対応認可済みのモノです。
またご必要に応じて証明書の発行も取得可能です。(詳細はお問合せ下さい。)
従って、食品工場の製造工程内でも安心してご活用いただける防水ハウジングです。
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④耐熱対策
食品工場の加工工程では焼き、煮る、揚げるなど発熱する工程、設備はつきものです。
そういった高温環境でも使用できる方法があります。
下記のハウジングにオプションで冷却システムを取付けて、クーラント液で冷却する方法です。
カメラ防水ハウジングはコチラ
https://www.shodensha-inc.co.jp/ja/dir/autovimation/
冷却システム(クーラント液) ATV-60.101.520
https://www.shodensha-inc.co.jp/ja/atv-60-101-520/
※万が一を考えて、冷却に使用するクーラント液は食品工場様向けの
無害タイプのクーラント液での構築ができます。詳細はお問合せ下さい。
3:食品工場における汚水、排水処理設備でのカメラ活用事例
食品工場では大量の水を使用し、またそれに伴う汚水、排水が発生します。
工場などで大量に使用した水は循環させて再利用したり、
河川、湖沼、海などの公共用水域に排水します。
ですが、この工場からの排水は直接、河川、湖沼、海などの
公共用水域に排水することはできません。
しっかりと汚水処理をして、水質汚濁防止法で定められた処理基準を
満たした状態にしてから公共用水域に放水します。
汚水、排水処理設備でのカメラ活用事例についてお話します。
工場では、様々な汚水、排水処理をしますが、汚水、排水中には
目に見えないレベルの微細な懸濁物質(浮遊物質)が分散しています。
この懸濁物質を処理するためには「凝集」という処理がなされます。
そこでは、凝集させるために凝集剤を使用します。
この凝集剤は、排水に添加すると凝集が起こります。
凝集剤を混ぜて、下記のようなかたまり=凝集フロックにすることで、
排水中の目に見えないレベルの微細な懸濁物質を凝集させることで汚水、
排水中の微粒子の除去に役立てます。
凝集処理は大きく二つの工程に分けられ、まず微細フロック(かたまり)を析出させ、
その後、このフロックを成長させる凝集反応にて、さらにフロックを大きな塊にします。
凝集フロック |
汚水排水処理システム全体の安定性は、この凝集過程の良し悪しが大きく関わります。
したがって、このフロックの形成具合(=凝集具合)の確認はとても大事なことで、
監視し、処理水に投入する凝集剤の濃度や量を調整することに役立てます。
下記は弊社で導入させていただいた凝集槽内の凝集フロック防水監視カメラシステムの一例です。
アルミフレームを使用、そのアルミフレームの両端には凝集槽の縁に
挟んで固定できるクランプをとりつけて、橋渡しできるアーチ型治具を製作しました。
ここにカメラシステムや防水照明等を取付けます。
また産業用カメラは防水構造ではないので防水ハウジング内にカメラを収納し、
照明も防水照明を使用しました。
防水対応にしたことで処理水の飛沫が飛んでかかっても問題なく、
常時監視できるカメラシステムを構築できました。
排水処理 凝集槽内の凝集フロック防水監視カメラシステムに使用した
カメラ防水ハウジングはコチラ
https://www.shodensha-inc.co.jp/ja/dir/autovimation/
凝集処理は、処理水の固液分離をするための操作で、この後、フロックを砂ろ過、
加圧浮上分離、沈殿分離などと併用し、フロックを集めて固体化します。
そして産業廃棄物として廃棄されていきます。
この凝集フロックが混ざった処理水はこの後の工程として
加圧プレスろ過器によって固液分離を行います。
加圧ろ過されて、フロックが脱水されて、出てきます。
これを脱水ケーキと言います。
そこでも固液分離の状態を確認するための常時カメラ監視システムを構築しました。
この写真は加圧プレスろ過器から脱水されて、押し出した脱水ケーキの押出し状態を監視しているカメラです。
この写真は脱水ケーキがシュート内を落ちる部分で脱水ケーキの監視をしています。
これら2ヶ所では防水の必要性がないため、防水ハウジングは使用せず、
産業用カメラで固液分離の状況、脱水ケーキの状況がモニタリング出来ております。
どちらの監視カメラシステムでも、脱水ケーキの押出し具合、大きさや形状などから加圧プレスろ過器を調整するのに役立てられています。
4:まとめ
食品工場の製造ラインでは外装が塗装されていない(異物が発生しない)、またシールパッキン材料などもFDA許認可のモノを使用したステンレス製の防水ハウジングが最適です。
環境に応じてエアパージ、耐熱対策等も弊社であれば対応ができます。
また食品工場から排出される汚水、排水を扱う現場=防水や防塵が要求される現場では弊社のカメラ防水ハウジングが役立ちます。
カメラの設置場所、設置条件によって、最適なカメラハウジングを使用すれば、産業用カメラの防水化、または防塵対策、耐熱対策などに絶大な効果を発揮します。
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