目次
①汚水、排水処理について
工場では汚水、排水が発生します。工場などで大量に使用した水は循環させて
再利用したり、河川、湖沼、海などの公共用水域に排水します。
ですが、この工場からの排水は直接、河川、湖沼、海などの公共用水域に
排水することはできません。
しっかりと汚水処理をして、水質汚濁防止法で定められた
処理基準を満たした状態にしてから公共用水域に放水します。
そこで、今回は汚水、排水処理設備でのカメラ活用事例についてお話します。
②凝集について
工場では、様々な汚水、排水処理をしますが、汚水、排水中には
目に見えないレベルの微細な懸濁物質(浮遊物質)が分散しています。
この懸濁物質を処理するためには「凝集」という処理がなされます。
「凝集」とは、排水中に分散している懸濁物質が相互に引き合い、吸着、集合して
大きな塊となり、沈降することをいいます。
自然界に存在する微粒子は、一般的にマイナスに帯電しており、互いに反発するため凝集しません。そこで、凝集させるために凝集剤を使用します。
この凝集剤はプラス電荷をもち、排水に添加すると中和されて凝集が起こります。
凝集剤を混ぜて、下記のようなかたまり=凝集フロックにすることで、
排水中の目に見えないレベルの微細な懸濁物質を凝集させることで汚水、
排水中の微粒子の除去に役立てます。
凝集処理は大きく二つの工程に分けられ、まず凝結反応で
微細フロック(かたまり)を析出させます。
その後、このフロックを成長させる凝集反応でさらにフロックを大きな塊にします。
凝集フロック |
汚水排水処理システム全体の安定性は、この凝集過程の良し悪しが大きく関わります。
したがって、このフロックの形成具合(=凝集具合)の確認はとても大事なことで、
監視し、処理水に投入する凝集剤の濃度や量を調整することに役立てます。
③凝集槽内凝集フロックの監視について
下記は弊社で導入させていただいた凝集槽内の凝集フロック防水監視カメラシステムの一例です。
アルミフレームを使用、そのアルミフレームの両端には凝集槽の縁に挟んで固定できる
クランプをとりつけて、橋渡しできるアーチ型治具を製作しました。
ここにカメラシステムや防水照明等を取付けます。
また産業用カメラは防水構造ではないので防水ハウジング内にカメラを収納し、
照明も防水照明を使用しました。
防水対応にしたことで処理水の飛沫が飛んでかかっても問題なく、
常時監視できるカメラシステムを構築できました。
排水処理 凝集槽内の凝集フロック防水監視カメラシステムに使用した
防水カメラハウジングはコチラ
https://www.shodensha-inc.co.jp/ja/dir/autovimation/
④脱水ケーキの監視について
凝集処理は、処理水の固液分離をするための操作で、この後、フロックを砂ろ過、
加圧浮上分離、沈殿分離などと併用し、フロックを集めて固体化します。
そして産業廃棄物として廃棄されていきます。
この凝集フロックが混ざった処理水はこの後の工程として加圧プレスろ過器によって
固液分離を行います。加圧ろ過されて、フロックが脱水されて、出てきます。
これを脱水ケーキと言います。
そこでも固液分離の状態を確認するための常時カメラ監視システムを構築しました。
この写真は加圧プレスろ過器から脱水されて、押し出した
脱水ケーキの押出し状態を監視しているカメラです。
この写真は脱水ケーキがシュート内を落ちる部分で脱水ケーキの監視をしています。
これら2ヶ所では防水の必要性がないため、防水ハウジングは使用せず、
産業用カメラで固液分離の状況、脱水ケーキの状況がモニタリング出来ております。
どちらの監視カメラシステムでも、脱水ケーキの押出し具合、大きさや形状などから
加圧プレスろ過器を調整するのに役立てられています。
⑤まとめ
今回のような、汚水、排水を扱う現場=防水や防塵が要求される現場では
弊社のカメラ防水ハウジングが役立ちます。
カメラの設置場所、設置条件によって、カメラハウジングを使用すれば、
産業用カメラの防水化、または防塵対策などに絶大な効果を発揮します。
排水汚水処理カメラ監視システム、カメラハウジングにご興味がございましたら
お気軽にお問い合わせください。