2022年11月22日

レンズの開口数と分解能

目次

1.レンズの分解能とは

2.レンズの開口数

3.弊社メガピクセル対応テレセントリックレンズの事例

4.弊社中倍率ズームレンズの事例

 

 

1.レンズの分解能とは

 

対象物を拡大して観察する場合、倍率はもちろん大切ですが、

細部をきちんと識別できることも重要です。

この能力のことを分解能といい、

「接近している2点を識別できる最小の距離」で表されます。

 

分解能=2点識別できる距離 

 

*微小物の有無等の観察であれば、もっと小さいものも確認可能です。

 

数式に表すと  分解能=kλ/NA となります。

kは係数で 0.61や0.5 の値が使われます。

λは光の波長です。 通常の可視光であれば 0.55μmを使います。

NAはレンズの開口数です。(レンズの性能の1つを示す値です。)

開口数が大きい程、分解能が高く(数値は小さく)なります。

 

(例)開口数(NA)が0.9のレンズであれば、

  分解能=0.5x0.55/0.9=0.30μm となります。

 

2点間が0.30μmであれば、2点識別できることになります。

分解能と倍率は関係ないので、このレンズでいくら倍率を上げても

2点間の識別は 0.30μmとなります。

 

 

2.レンズの開口数

 

レンズの性能を決める重要な数値です。

開口数(NA)=nsinθ

nは対象物からレンズまでの媒体の屈折率で空気ならば n=1です。

θは対象物と光軸が交差する1点からレンズに入る光のうち

一番外側になる角度です。

レンズの開口数

 

開口数が大きい程

明るいレンズとなります。

また、分解能=kλ/NA なので開口数が大きい程

分解能が高くなります。(数値は小さくなります。)

 

3.弊社メガピクセル対応テレセントリックレンズの事例

 

 

開口数が 0.026です。

分解能=(0.61x0.55)/0.026=12.9μmとなります。 

上記の表の分解能(12.7μm)とほぼ一致します。

 

 

4.弊社中倍率ズームレンズの事例

 

弊社中倍率ズームレンズ(SDS-M)の開口数は

0.014(最低倍率時)から0.036(最大倍率時)となります。

最低倍率時分解能=(0.61x0.55)/0.014=23.9μm

最大倍率時分解能=(0.61x0.55)/0.036=9.3μm

となります。

 

 

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