2024年03月05日

GigEカメラでスイッチングHUBは要注意!

パソコン1台に複数台のGigEカメラを使用する場合には、そのカメラの台数によって、

構築に注意が必要です。

 

今回はスイッチングHUBについて言及したいと思います。

 

結論から先に言いますと

 

GigEカメラを複数台スイッチングHUBに接続して使用するとノイズが生じる可能性があるため、弊社ではオススメしません。

代わりに、GigE Visionフレームグラバーボードをパソコンに増設して使用することをオススメします。

フレームグラバーボード

 

 

弊社販売GigE Visionフレームグラバーボードはこちら

 

パソコンに増設するフレームグラバーボードになります。

したがって、ノートパソコンでは構築は出来ず、デスクトップパソコンでの構築となります。

パソコン1台でカメラ複数台接続となりますのでスペック的にもデスクトップ一択となります。

 

それでもHUBを使わないといけない状況の場合は下記をご参照下さい。

 

 

■LAN HUBについて

現在、HUBには「リピーターHUB」と「スイッチングHUB」の2種類があります

これらは機能性と効率性において大きな違いがあります。

現在、リピーターHUBはほとんど使われておりません。

弊社カメラと接続する際はスイッチングHUBをご使用ください。

 

スイッチングHUBにはさまざまな種類があり、その違いは機能や性能によって多岐にわたります。主な違いは以下の通りです。

 

1) 通信規格

スイッチングHUBには通信規格があり、機器によって異なります。

10BASE-T(10Mbps)

100BASE-T(100Mbps)

1000BASE-T(1GMbps)

10GBASE-T(10Gbps)

※Mbps(メガビット・パー・セカンド) Gbps(ギガビット・パー・セカンド)

※その他規格もあります。

 

2) LANポート

スイッチングHUBには複数のLANポートがあり、これらのポートは全て同じ通信規格をサポートしている場合と異なる通信規格をサポートしている場合があります。

また、他のネットワーク機器と接続するための専用ポートである「アップリンクポート」が備わっているモデルもあります。

 

3) PoE(Power over Ethernet)

PoEとはLANポートから電源供給してくれる機能です。

スイッチングHUBにはPoE対応か否かがあります。

 

 

■使用時の注意点

スイッチングHUBを使用する際は以下の2つの事項にご注意ください。

 

1) 帯域幅

帯域幅とはデータ転送速度の上限です。

上記で触れた通信規格における100Mbpsや1Gbpsは、その帯域幅を示しています。

帯域幅を超える速度でのデータ転送は不可能です。したがって、接続される機器のデータ転送量には注意が必要です。

特に、アップリンクポートがあるスイッチングHUBを使用する場合、そのアップリンクポートの帯域幅を超えてデータを転送することはできません。

 

2) パケットロス

パケットロスとは、データ転送量が帯域幅を超えていることによってパケットが失われる現象です。

パケットロスが起こると、映像データにノイズが生じることがあります。

 

もし下記のような入力1Gbps×4ポート、パソコンへの出力1Gbps×1ポートのスイッチングHUBを使うと、カメラ2台以上を接続した際にはパケットロスが起こります。

スイッチングHUB

パケットロスが起こり、カメラ映像が送れません。

 

 

したがって、下記のような1Gbps×8 + アップリンクポート10GbpsのスイッチングHUBを使う必要があります。

 

LunHUB

パケットロスが起こりづらく、カメラ映像が送れます。

 

 

上記のHUBの場合、1Gbpsのポートにはカメラを 10GbpsのポートにPCを接続して動作させるとパケットロスが起こりづらくなります。

これはカメラからのデータ転送が1Gbpsなのに対してPCへの転送は10Gbpsで行うことができるためです。

(カメラ入力1Gbps×台数 < 10Gbps)

 

 

またHUBだけではなく、 受け側であるパソコン側のLANポートも10Gbpsにする必要があります。

以下に説明のあるネットワークカードをパソコンに増設することでパソコン側も10Gbps対応になります。

 

 

■弊社GigEカメラ EGシリーズでの運用方法

 

・HUBの選択

PoE対応の帯域幅10GbpsのスイッチングHUBを使用してください。

1GbpsのスイッチングHUBをどうしても使用する場合はカメラ以外接続しないでください。パケットロスの原因になります。

 

・PC側の準備

10Gbpsでデータ転送ができるように10GBASE-Tのネットワークカードを取り付けてください。

PCIボード

 

(ASUS製 型番:XG-C100C V2)

弊社からでも販売することが可能です。

 

 

・接続台数の確認

10GbpsのスイッチングHUBを使用した場合でもGigEカメラ8~9台が最大の接続数になります。

それ以上を接続するとパケットロスが起こります。

10台以上のGigEカメラを使用したい場合にはスイッチングHUBとネットワークカードを増設してください。

 

MVSでの設定

EGシリーズカメラのドライバーをセットアップするとMVSというアプリがインストールされます。

その中のGEV PAUSE Frame ReceptionをONにしてください。

この機能は複数台使用する場合には必ずONにしてください。

設定

 

・最後に

静止画撮影の場合には外部トリガーを使用するなどしてカメラの撮影タイミングをずらすことでパケットロスを回避できます。

撮影タイミングがかぶってしまった場合には静止画の場合でもパケットロスが起こり撮影された画像にノイズが乗る場合があるためご使用の際は注意が必要です。

 

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