カメラで観察や撮影を行う際、「どのくらい大きく写るのか」を決める重要な指標が光学倍率です。
ここではその基本的な求め方を紹介します。
目次
■カメラセンサーの大きさを確認する
使用するカメラが決まっている場合、使用するカメラのセンサーの縦・横の長さを求めます。
センサーサイズの縦横は次の式で計算できます。
センサーサイズ = ピクセルサイズ × ピクセル数(解像度)
例:低価格ハイビジョンカメラ BA200HD の場合
最大解像度:1920×1080(フルHD)
ピクセルサイズ:3.75 μm × 3.75 μm
計算すると、
- 長辺:3.75 × 1920 = 7.2 mm
- 短辺:3.75 × 1080 = 4.05 mm
注意:
レンズの仕様表に「センサーサイズごとの視野」が記載されていることもありますが、センサーサイズが同じでも縦横比が異なる場合があります。
そのため、素子サイズと解像度から計算するほうが確実です。
■光学倍率を計算する
次に、このカメラで大きさ 3 mm × 1 mm のものの全体を観察するとします。
光学倍率は、カメラのセンサー上に結ばれる像の大きさが、
実際の被写体の大きさに対してどの程度拡大・縮小されているかを示す値です。
一般的には次の式で求められます。
光学倍率 = センサーの撮像範囲 ÷ 被写体の実際の大きさ
ここで、カメラのセンサーの長辺で長い3 mm、短辺で短い1 mmをとらえるとします。
この条件のほうが、センサーの面積を有効に使えるため、より効率的です。
それぞれの方向の光学倍率は次のように計算できます。
●長辺方向: 7.2 ÷ 3 = 約2.4倍
●短辺方向: 4.05 ÷ 1 = 約4.05倍
このように、長辺と短辺で倍率が異なる場合は、
通常は光学倍率が小さいほう(この場合長辺方向の倍率)を基準に考えます。
視野の一部がはみ出して被写体全体が写らないのを防ぐためです。
●2.4倍の場合(長辺を基準):視野は約 3 mm × 1.69 mm
●4.05倍の場合(短辺を基準):視野は約 1.78 mm × 1 mm
このように、同じカメラでも光学倍率が変わると、カメラがとらえる範囲(視野)がどれほど変化するかが具体的に分かります。
したがって、この例では必要な視野全体を収めるためには約2.4倍の光学倍率を目安にレンズを選定するとよいでしょう。
■その他
レンズの条件は光学倍率以外にも、次のような要素を確認する必要があります。
・対応センサーサイズ
・解像度
・作動距離
など
これらを総合的に検討して、最適なレンズを選びましょう。
■まとめ
光学倍率は、**「どのくらいの大きさで被写体を映せるか」を決める重要な指標です。
倍率を求めることで、カメラやレンズを組み合わせたときの撮像範囲(視野)**を具体的にイメージできます。
求め方の基本はシンプルです。
光学倍率 = センサーの撮像範囲 ÷ 被写体の実際の大きさ
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