■はじめに
産業用カメラやマイクロスコープ、ハイスピードカメラを使用する際
映像が暗く、観察が難しい場合があります。
一般的には照明やレンズの絞りを開放したりすることで改善は可能ですが
カメラ設定下記3項目で明るさを補うことが可能です。
① 露光時間(Exposure Time)
② ゲイン(Gain)
③ ガンマ(Gamma)
ただし、これらの設定は単純に数値を上げればよいというものではありません。
それぞれ画質や撮影条件に影響を与えるため、用途に応じて適切に使い分けることが重要です。
本記事では、それぞれの設定の役割と、明るくした場合のメリット・デメリットについて解説します。
■① 露光時間(Exposure time)
露光時間とは、イメージセンサが光を取り込む時間(シャッターが開いている時間)のことです。
シャッタースピードとも言います。
露光時間を長くすると、その分多くの光を取り込めるため、映像を明るくすることができます。
※ デメリット
露光時間を長くすると、センサが光を取り込み続ける時間が長くなるため、
その間に被写体が動くと映像がぼやけたり、ブレたりします(モーションブラー)。
作動中の扇風機のファンの撮影
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露光時間が短い映像 |
露光時間が長い映像 |
■② ゲイン(Gain)
ゲインは映像信号を増幅させ、映像を明るくする設定項目です。
露光時間と異なり、フレームレートに関与しないため、映像の滑らかさを保ったまま
映像を明るく設定することが可能です。
動くワークを撮影する場合でも利用しやすい設定です。
※ デメリット
電気信号を増幅させることで映像中のノイズも増幅し、ノイズが目立つ映像となってしまいます。
特に、暗い映像でゲインやガンマを使用しているときには下記のような白い縦線(パターンノイズ)が目立ちます。
パターンノイズが目立った映像
■③ ガンマ(Gamma)
露光時間やゲインのように映像全体を明るくする設定ではなく、
取得した画像の階調(明るさの分布)を変換する画像処理です。
ガンマを調整することで、暗部を持ち上げたり、明部の階調を調整したりすることができます。
特に、部分的に反射が激しいワークを観察する際にガンマ設定を行うことで
明るい部分の反射を抑え、暗い部分を明るくすることができます。
左:ガンマ設定なし 右:ガンマ設定あり
※ デメリット
数値を大きく変更するとゲインと同様ノイズも強調されるほか、
コントラストが低下して映像がぼんやりとした印象になることがあります。
その結果、エッジ検出や二値化などの画像処理精度に影響を与えることがあります。
このことから、必要最小限での調整をおすすめします。
■まとめ
露光時間・ゲイン・ガンマ設定を調整することで映像を明るくすることができます。
ただし、これらの設定はいずれも画質や撮影条件に影響を与えるため、
設定によってはかえって見え方が悪くなる場合があります。
そのため、まずは照明を明るくする、レンズ絞りを開放するなど、光学系ハード面で十分な明るさを確保することを優先し、カメラ設定は補助的な機能として使用することをおすすめします。