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蛍光顕微鏡用のカメラについて

蛍光は微弱な発光量であり、感度が高いカメラが必要です。

したがって、蛍光顕微鏡で撮影に使用するカメラは通常、冷却CCDカメラ(モノクロ)を使用します。

 

最近では可視光領域の蛍光発光もあり、可視光レベル(目で視認できるレベル)の蛍光発光量があればカラーカメラ1台で蛍光観察を行うこともあります。

 

その場合にも、いくつかの注意点がありますので、下記をご確認ください。

 

注意点

・感度

・波長感度の確認

・ダイナミックレンジ

・カメラセンサーはCCDか、CMOSか

・シャッター方式はグローバルシャッターか、ローリングシャッターか

・モノクロカメラか、カラーカメラか

・画素数

・まとめ

 

 

 

・感度

感度とは、ノイズと信号を区別できるかどうかです。

ノイズは、本来の信号と機器の発する信号が区別できない場合に発生します。

通常、低照度下でのカメラ撮影ではノイズが発生します。

 

もう1点、別のノイズがあります。

蛍光観察の際にノイズの原因として、露光時間の増加による「暗電流」が発生することでノイズとなります。

暗電流とは、カメラ露光中に電子が漏れ出すもので、暗電流は、温度が7°C上昇するごとに倍増するという性質があります。

センサー温度は、暗電流に大きな影響を及ぼしますが、特に低照度下での撮影で露光時間が長くなる場合、SN比や画質の低下を招きます。

これを防ぐために、通常はカメラを冷却しなければなりません。したがって冷却CCDを使用します。

しかしながら、蛍光条件によってはその必要がない場合もあります。

一般的に冷却CCDカメラはコストが高いことが多く、蛍光反応の強さが十分であれば、ファンやペルチェ素子を使った強制冷却をカメラに対してしなくても問題ありません。

 

 

 

・波長感度の確認

蛍光波長でカメラ感度があるかどうか?

光には波長があり、その蛍光波長を感知できるカメラセンサーが必要です。条件にもよりますが、蛍光発光は一般的に非常に微弱な光量です。

まずはカメラがその蛍光波長を検出できるか感度があるかを確認しなければなりません。

これはカメラの分光感度特性図を見れば、感度特性があるかどうかが分かります。

 

 

 

・ダイナミックレンジ

カメラセンサーは光を信号に変換しますが、「ダイナミックレンジ」(必要な電荷量の最大値と最小値の比率)で、これによりカメラの光検出性能がわかります。

 

 

 

・カメラセンサーはCCDか、CMOSか

CCDセンサーは、今でもハイエンド向けカメラに搭載されますが、CMOSセンサーの台頭により、少なくなりつつあります。

特に最近のCMOSセンサーは、コスト面、画素数、速度、ノイズ、消費電力などでCCDセンサーとほぼ同等の性能があり、そこまで気にすることはないかと思います。

 

 

 

・シャッター方式はグローバルシャッターか、ローリングシャッターか

CCDセンサーはグローバルシャッター方式しかありません。

CMOSセンサーはグローバルシャッター方式、ローリングシャッター方式が選択できます。

被写体が動いている場合は、このシャッター方式の違いが画質に大きく影響します。

 

ローリングシャッターは、動きに対しての追従性が劣ります。これはセンサーを1列ずつ順番に露光を行うため、被写体が動くとゆらゆらと歪んでしまいます。

一方、グローバルシャッターなら、動きに対しての追従性が良いです。これはセンサーを一度に露光するため露光時間に差が生じないためです。

ただし、顕微鏡観察で止まっている状態での撮影であればローリングシャッター方式でも問題がない場合が多いです。

 

 

 

・モノクロカメラか、カラーカメラか

一般的な蛍光観察では、感度が高いことからモノクロカメラが好まれます。

カラーカメラはモノクロカメラと比べ、感度が低いです。その原因は、ベイヤーフィルターにあります。

このフィルターは、画像の色情報を取得するために必要ですが、特定波長の光しか通さず、入射光量が減少します。

さらにカメラセンサー前には赤外光をカットするIRカットフィルターを使用していることも、感度が低下する要因の一つです。

 

したがって一般的に、複数の蛍光物質を使用して共存在した分子を解析する場合は、それぞれの励起波長や蛍光波長に応じて光源やフィルターを上手く組み合わせ、複数のモノクロカメラで撮影を行います。

 

最近では可視光領域の蛍光発光もあり、可視光レベル(目で視認できるレベル)の蛍光発光量があればカラーカメラ1台で蛍光観察を行うことも多くなっています。

 

 

 

・画素数

目的に合った画素数のカメラを選択していただけます。

高画素で撮影を希望で、画素数が高いカメラを選択しがちですが、高画素の場合は一般的にセンサーサイズ(センサーインチ数)が大きくなり、顕微鏡撮影時にケラレ現象が起こりやすくなりますので注意が必要です。

したがって目的、顕微鏡にあった最適な画素数のカメラを選択する必要があります。

 

 

 

・まとめ

蛍光撮影では冷却CCDが絶対必要と言うわけではありません。

可視光領域の蛍光発光もあり、可視光レベル(目で視認できるレベル)の蛍光発光量があればカラーカメラ1台で蛍光観察を行うことも多くなっています。

 

 

 

弊社では冷却CCDカメラの取り扱いはございませんが、可視光領域の蛍光発光もあり、可視光レベル(目で視認できるレベル)の蛍光発光量があるカラーカメラをご用意しております。

製品詳細は下記からご覧ください。

 

 

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